DBの環境差異調査(mysql編)

システム開発において、
 ・本番
 ・検品(ステージング)
 ・開発
と環境が別れている事は通常よくあることであり、それにともないDBの環境もそれぞれ存在することとなります。

開発体制が小規模であったり、管理ルールが整っていない時などに、それぞれのDB環境に差異が発生している事が多々あります。
その差異を視覚化し、容易に把握するための方法をご紹介します。

※今回使用した環境
 ・mysql : 5.6.40
      https://dev.mysql.com/downloads/windows/installer/5.6.html
 ・ローカル環境:windows 10
 ・比較ツール:WinMerge 2.14.0
        https://winmerge.org/downloads/?lang=ja

1.差分抽出SQL の用意


SELECT '### COLUMN情報 #########################' AS '';
SELECT TABLE_NAME
     , COLUMN_NAME
--   , ORDINAL_POSITION
     , COLUMN_TYPE
     , COLUMN_DEFAULT
     , IS_NULLABLE
     , COLUMN_KEY
     , IFNULL( COLLATION_NAME , '')      COLLATION_NAME
     , IFNULL( CHARACTER_SET_NAME , '')  CHARACTER_SET_NAME
     , COLUMN_COMMENT 
  FROM INFORMATION_SCHEMA.COLUMNS
 WHERE TABLE_SCHEMA = @DB_DATABASE
 ORDER BY TABLE_NAME , COLUMN_NAME
;

SELECT '### INDEX情報 ##########################' AS '';
SELECT TABLE_NAME
     , INDEX_NAME
     , SEQ_IN_INDEX
     , COLUMN_NAME
  FROM INFORMATION_SCHEMA.STATISTICS
 WHERE TABLE_SCHEMA = @DB_DATABASE
 ORDER BY TABLE_NAME, INDEX_NAME, SEQ_IN_INDEX 
;

mysql では、DBの情報を INFORMATION_SCHEMA 内に保持しており、その情報を出力しています。
※上記例では、カラムの順番を考慮せず、カラム名順で評価しています。

2.差分抽出SQL の実行

上記 SQL をファイルに保存して、コマンドで実行します。
※ここでは、「db-columns.sql」と命名します。

mysql -e "set @DB_DATABASE='DB名'; source db-columns.sql ;" > 環境.txt

※接続情報等は、省略させて頂いています。

こちらの実行した結果は以下の通りとなります。
※ mysql のバージョンに関わらず、全てのバージョンで稼働すると思います。


### COLUMN情報 #########################
TABLE_NAME	COLUMN_NAME	COLUMN_TYPE	COLUMN_DEFAULT	IS_NULLABLE	COLUMN_KEY	COLLATION_NAME	CHARACTER_SET_NAME	COLUMN_COMMENT
hoge	birthday	date	NULL	YES				
hoge	key	int(11)	NULL	NO	PRI			
hoge	name	varchar(50)	NULL	YES	MUL	utf8_general_ci	utf8	
hoge	sex	char(1)	0	YES		utf8_general_ci	utf8	

### INDEX情報 ##########################
TABLE_NAME	INDEX_NAME	SEQ_IN_INDEX	COLUMN_NAME
hoge	hoge_i1	1	name
hoge	hoge_i1	2	birthday
hoge	PRIMARY	1	key

3.SQL実行結果の比較

上記、環境毎に出力し、その結果を winmerge 等で比較する事が出来ます。
例えば、ローカルの環境と比較。

別のタブで画像を開くと、大きな画像で参照できます。

上記は、以下の テーブルを比較した結果なのですが、

-- 左のDDL
CREATE TABLE `hoge` (
	`key` INT(11) NOT NULL AUTO_INCREMENT,
	`name` VARCHAR(50) NULL DEFAULT NULL,
	`sex` CHAR(1) NULL DEFAULT '0',
	`birthday` DATE NULL DEFAULT NULL,
	PRIMARY KEY (`key`),
	INDEX `hoge_i1` (`name`, `birthday`)
)

-- 右のDDL
CREATE TABLE `hoge` (
	`key` INT(11) NOT NULL AUTO_INCREMENT,
	`name` VARCHAR(50) NULL DEFAULT NULL,
	`sex` VARCHAR(1) NULL DEFAULT '0',
	`birthday` TIMESTAMP NULL DEFAULT NULL,
	PRIMARY KEY (`key`),
	INDEX `hoge_i1` (`name`)
)

WinMarge 上で、差分行が色分けされているのが判るかと思います。
・DATE型 と TIMESTAMP 型 の差異
・CHAR型 と VARCHAR型 の差異
・INDEX の差異

※Oracle ですと、「USER_TAB_COLUMNS」・「USER_IND_COLUMNS」テーブルを使用すると、同じ情報が取得できます。

author k.tomita